部門別原価計算は、比較的難易度が低い内容です。計算さえ間違えなければ、満点を取ることが出来ます。
資料のどの数字を使って配賦をするのか?に注意して計算をしてきましょう。
部門部原価計算について簡単に説明をします。
部門月原価計算とは、「材料費」「労務費」「経費」等の原価要素を部門別に集計をすることです。
部門は、製造部門と補助部門に分かれます。予定配賦表(問題文によって多少の表現は異なる)を使用して答えを出すのが部門別原価計算です。
(注)問題文に関しては、本文では記載していません。そのため、問題文は各自でお手元に出していただくようい願いします。
簿記2級の試験で部門別原価計算が出題されたのは、第152回目の4問目です。
今回は、その問題を解いていきます。
目次
Table of Contents
配賦の方法に注意
補助部門から製造部門への配賦は、「直接配賦法」と「相互配賦法」の2つです。
今回の問題は、直接配賦法と問題文にあるので、メモ書きをします。
問1
月次予算部門別配賦表の作成ですが、簡単な計算で解けるため完答が可能です。
「資料の金額をどうやって何をするか?」を意識して解きましょう。
直接配賦法で製造部門へ配賦
直接配賦法は、補助部門費を補助部門から製造部門へ配賦する方法です。
例えば、「事務員にかかる費用は¥̻̻〇△かかって、組立部門に¥〇〇を切削部門は¥△△を配賦する」というイメージです。
(直接配賦法なので、補助部門同士には配賦はしません)
補助部門の金額を製造部門に配賦
補助部門である「修繕部門」と「工場事務部門」と「材料倉庫部門」のそれぞれの金額を、製造部門に配賦します。
イメージは、上記でも説明しましたが、この問題にあてはめると
「修繕部門にかかった金額¥450,000は、組立部門に¥〇〇を切削部門に¥△△を配賦」です。
配賦方法に注意
イメージは出来ましたので、実際に計算に入ります。
まずは、修繕費です。
修繕部門¥450,000を組立部門と切削部門に配賦します。
配賦の計算方法ですが、修繕なので、資料で確認をするのは、修繕時間です。修繕時間は、「組立部門が75時間で切削部門が50時間」です。
計算は、¥450,000を「75:50」に分けます。
計算方法は、
組立部門 450,000÷125×75=270,000
切削部門 450,000÷125×50=180,000
です。
次は、工場事務部門です。
工場事務部門¥440,000を配賦します。配賦の計算方法で確認をするのは、人数です。人数は、組立部門と切削部門共に50人のため、「50:50」で分けます。
計算方法は、50:50のため、
440,000÷2=220,000
で良いです。
最後は、材料倉庫部門です。
材料倉庫部門¥900,000を配賦します。配賦の計算方法は、材料運搬回数です。
資料から「組立部門は120回で切削部門は60回」のため、120:60に分けます。
計算方法は、120:60のため、
組立部門 900,000÷180×120=600,000
切削部門 900,000÷180× 60=300,000
です。
表はこのようになります。
問2
問題文から分かることは、以下の3つです
・予定配賦額と実際配賦額の差額を製造間接費配賦差異勘定に振り替える仕訳を作る
・組立部門費の実際配賦率は、@310円で切削部門費の実際配賦率は@325円
・勘定科目は、指定されたものから選ぶ
製造間接費勘定に振り替える仕訳の作成がゴールのため、勘定科目は「組立部門費」「切削部門費」「製造間接費配賦差異」の3つで決まります。
解答への道
最初は、予定配賦額の計算です。予定配賦額は、
予定配賦率×実際直接作業時間
で計算されます。
ここで、「なぜ予定配賦率に実際直接作業時間をかけるのか?」が疑問です。「予定配賦率×予定直接作業時間ではダメなのか?」と考えます。
その理由は、「予定配賦率×予定直接作業時間」で出てくる答えは、予算額だからです。
比較をするのは、「予定配賦」と「実際配賦」の差額を求めます。
予算を求めるのではなく、予定配賦ですので、時間の部分(実際直接作業時間)は合わせないと製造間接費配賦差異は求められません。
予定配賦率の考え方
予定配賦率のゴールは、「1時間当たり〇〇円」の〇〇の部分が分かれば良いです。
深く考えずに、問題文には「実際配賦率は、1時間当たり310円」と書いてあるので、ゴールは「予定配賦率は1時間当たり〇〇円」と考えましょう。
予定配賦率の計算方法
「組立部門費」と「切削部門費」に分かれて計算をします。
使用するのは、予定の作業時間と予算額です。
計算をすると、
組立部門費 2,400,000÷8,000=@300
切削部門費 1,920,000÷6,000=@320
で求められます。
また、配賦額は
組立部門費 @300×7,800(実際直接作業時間)=2,340,000円
切削部門費 @320×5,900(実際直接作業時間)=1,888,000円
です。
実際配賦額の計算方法
実際配賦額は、資料から求められます。
計算式は、「実際配賦率×実際直接作業時間」です。
計算をすると、
組立部門費 @310×7,800=2,418,000円
切削部門費 @325×5,900=1,917,500円
で求められます。
差異の確定
差異は、予定されていたものと実際にかかった部分の差額で求められます。
計算は、
組立部門費 2,340,000(予定配賦額)-2,418,000(実際配賦額)
=△78,000円(不利差異)
切削部門費 1,888,000(予定配賦額)-1,917,500(実際配賦額)
=△29,500円(不利差異)
です。
最後は仕訳で完成
仕訳は、以下の通りです
差異は不利差異のため、借方に入れます。組立部門費と切削部門費は、貸方に入れて金額は上記で求められた数字です。
勘定連絡図は書いても書かなくてもどちらでも良いです。
まとめ
部門別原価計算は、以下の点で注意です。
・配賦法 直接配賦法か相互配賦法
・予定配賦額の計算 予定配賦率×実際直接作業時間
この2つさえ間違えなければ、完答(20点)は出来ます。
ただし、最初の月次予算部門別配賦表が間違えると、全てが不正解になるため注意です。
問題の難易度も低いため丁寧に解いていきましょう。
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