簿記2級のテキストを開くと最初に出てくるのが、銀行勘定調整表です。
比較的易しい論点であり、本試験も完答をすることが出来るため、確実に理解をしていきましょう。
目次
Table of Contents
銀行勘定調整表とは
企業の「当座預金の残高」と銀行から送られてくる「残高証明書」が不一致の時に、原因を調べて一致させるための表のことです。
なぜ銀行勘定調整表は必要か?
当然ですが、企業が管理する当座預金の残高と銀行から送られてくる証明書の残高は、同じです。
しかし、何らかの原因により残高が不一致の時があります。その時に、原因を調査して残高を一致させなければいけません。
そのために、銀行勘定調整表を使用して、不一致の原因を判明させ残高を一致させるために行います。
処理は何をするか?
簿記2級の学習は、原因が問題文に与えられます。
原因が企業か銀行かを判断して加算または減算をして残高を合わせるだけです。
計算をする時は、下記の表を使います。
実際の処理のケース
当座預金残高と銀行の残高証明書の不一致は、多くの原因があります。原因によって企業と銀行のどちらかを加算または減算しなければいけません。
処理を原因別に見ていきます。
企業の加算または、減算のケース
企業側に原因がある場合は、仕訳をして数字を合わせる必要があります。
本試験では、仕訳も問われるため修正の仕訳も考えることが重要です。
152回の試験は、仕訳も問われました。勘定科目は、問題文に書かれているため完答を目指すことが出来ます。
未渡小切手(加算)
その名の通り、小切手を銀行に渡していない状態です。仕訳の記帳は終了しています。
このケースは、結果的に小切手を銀行に渡していないため、取引をしていのと同じです。
したがって、仕訳は記帳の逆仕訳をします。
例えば、「買掛金の支払い¥10,000に小切手を振り出したが、小切手は銀行に渡されていなかった」という問題文です。
解答方法は
(記帳済)
(借)買掛金 10,000 (貸)当座預金 10,000
をしているため、
(借)当座預金 10,000 (貸)買掛金 10,000
をします。
入出金の連絡が未通知(加算または減算)
銀行は、当座預金の処理が終了しています。しかし、企業に処理の連絡がまだです。企業側が、仕訳をする必要があります。
例えば、「売掛金が入金済になっていたが、銀行は企業に連絡をしていなかった」です。問題文によって加算か減算か違うため注意しましょう。
試験問題は、上記のケースは「売掛金が当座預金口座に振り込まれていたが、未記帳だった」と書いています。「未記帳」という言葉があれば、入出金の連絡が未通知です。
仕訳の誤記入(加算または減算)
決算整理と同じく、仕訳を誤記入した時に不一致の原因が起こります。
このケースは修正仕訳をするのみです。
修正仕訳の方法は、こちらの記事を見てください
【間違えて】訂正仕訳は、勘定科目を入れる作業と逆仕訳【仕訳をした】
銀行の加算または、減算のケース
銀行側に原因がある場合は、仕訳は不必要です。銀行勘定調整表の銀行の部分を加算または減算をします。
締め後入金(または時間外入金)(加算)
3月31日に入金したケースです。
企業は、銀行のATMに入金をしたため記帳をします。しかし、銀行は閉店後のため4月1日の処理です。
銀行の処理のみが行われていません。翌日に銀行の処理が行われるため、企業は何もしなくて良いです。
未取付小切手(減算)
企業は、支払いの記帳はしました。しかし、相手企業が小切手を所有しているため銀行の引き落としはありません。
このケースは、小切手は企業から相手企業に渡っています。後日、相手企業から銀行に小切手が提示されるため、当社側の仕訳の修正は不要です。
未取立小切手(加算)
企業が他人振出の小切手を取立の依頼は終了しました。しかし、銀行が相手企業に取り立てていないので、入金はされていません。
このケースは、小切手は銀行にあります。後日に、銀行から相手企業に取り立てに行くので、
当社側の企業の修正は不要です。
まとめ
簿記2級の学習は、銀行勘定調整表から始まります。本試験では比較的点が取りやすいです。企業か銀行のどちらに加算または減算をするかを間違えなければ、確実に点をとることが出来ます。
問題文をよく見ることが重要です。特に「未取立」と「未取付」は、文字がほとんど同じのため、間違えないようにしましょう。
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