簿記2級とは?【合格率や試験の内容について】

簿記3級には合格してこれから簿記2級にステップアップしたい。簿記2級の試験は、どんなものかを知りたい。




そんな疑問に答えます。



簿記2級と簿記3級の違いについては、別の記事で解説しました。本記事は、試験内容について、さらに具体的に簿記2級について解説していきます。




目次

株式会社のほとんどに対応できる簿記2級

ビルの町並み・オフィス街のイラスト

株式会社のほとんどで経理係として働くために必要な知識です。商業簿記に加え工業簿記が初めて勉強する範囲に入ります。



簿記3級に比べて、評価が高いです。そのため、履歴書に書くとかなりのアピールになります。




簿記3級よりも低くなった簿記2級の合格率

直近10年間の合格率は、こちらです。

合格率
15428.5%
15327.0%
15225.4%
15112.6%
15014.6%
14915.5%
14829.6%
14721.2%
14647.5%
14525.0%

簿記3級は、合格率は40%台から50%台が多かったです。しかし、簿記2級になると難易度は上がるため合格率は下がります。




最近は10%台~20%台がほとんどです。特に難易度が高すぎた151回の試験は12%台と簿記1級に近づく難易度を出しました。




合格率が20%だと簿記1級や税理士試験よりは合格の可能性は高いです。




簿記2級の試験は簿記3級とどんな違いがある?

簿記2級も簿記3級と同様に配点や問題数が決まっています。しかし、内容は若干違います。




問題によって偏りがなくなった

主な配点はこちらです。

第1問第2問第3問第4問第5問
配点2020202020

問題数は、簿記3級と同じ5問ですが、配点はそれぞれ20点となっています。



そのため、簿記3級の場合に使った方法で、「第1問と第3問と第5問を集中的に時間をかけて合格点をとる」ということが出来ません。





出題内容

簿記2級も簿記3級のように出題内容が決まっています。しかし、簿記3級に比べて複雑なため、満遍なく勉強するのが一番です。




簿記3級と同じ仕訳の第1問

仕訳の問題5問が出題されます。簿記3級と違う点は、難易度です。

簿記3級は、4問正解(16点)や5問正解(20点)が可能でした。

テキストの小問を確実に出来れば高得点を取れます。



しかし、簿記2級は、難易度が上がるためテキストの小問が出来ても100%正解が不可能な場合もあります。

直近では、154回は満点(20点)と取ることは不可能に近いです。その1つの原因は、問題文が長いため、理解をするのに時間がかかります。



問題文が複雑であれば、後回しにするという選択も必要です。




対策は難しいが、比較的点が取りやすい第2問

個別論点の問題です。直近3年間の出題傾向を表にしましたが、銀行勘定調整表以外は一度も同じ論点が2回の出題はありません。



難しい点は、「確実にこの論点が出る」という考えが出来ないことです。苦手分野を作らないようにしましょう。

難易度は低いことが多く、基礎が出来ていれば満点(20点)も可能です。




時間がかかる総合問題の第3問。連結が出たら終了?

財務諸表や連結精算表が出題されます。149回に本支店会計が出題されましたが、直近5年でもこの1回だけです。



財務諸表は、高得点が狙えます。しかし、難易度にバラツキがあるため注意です。問題文を見て「解けそうにない」と感じたら後回しか捨てるようにします。




連結精算表は、148回で初出題された論点です。そこから、1年に1度のペースで出題されています。



難易度は、非常に高いです。特に151回の出題は、テキストや過去問を100%勉強していても解けない問題でした。(この件については、別の記事で解説します)



財務諸表と連結精算表の両方に言えることは、満点を取ることを意識せず解けるものから解きましょう。もし、問題の内容が易しく感じたら満点を狙っても良いです。




簿記2級で初めて学習の工業簿記。第4問は難易度は低め?

費目別原価計算や部門別原価計算を中心にたまに本社工場会計が出題されています。

本社工場会計が出題された場合は、難易度が低いです。



費目別原価計算や部門別原価計算は、若干難易度は上がります。しかし、商業簿記ほど難しくはなく満点(20点)も可能です。




満点も可能?総合原価計算が出やすい第5問

単純総合原価計算や組別総合原価計算等、総合原価計算が出題されます。第5問も第4問と同じく広い範囲から満遍なく出題されているので、苦手分野をなくすようにしましょう。




難易度は、平均以上の易しい時が多く(まれに難易度が高めの時もある)満点(20点)が可能です。





まとめ

簿記2級については、試験範囲の改訂ごとに難易度が上がっています。特に簿記1級の範囲が簿記2級に入った分野もあるため、かなり難しいです。




しかし、難易度は一時期10%代でしたが、最近は20%代もあるため合格が出来ない試験ではありません。

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