簿記2級の商品売買は、簿記3級よりは若干学習の範囲は増えました。
しかし、簿記2級の試験問題によっては、難易度は低いものもあり、満点(20点)をとることは可能です。
また、本問にある純売上高と売上原価の解答は、仕訳や原価ボックスから回答が出来るため、難しくありません。
(注)問題文に関しては、本文では記載していません。そのため、問題文は各自でお手元に出していただくようい願いします。
簿記2級の試験で商品売買が出題されたのは、第154回目の2問目です。
今回は、その問題を解いていきます。
目次
Table of Contents
問1 総勘定元帳は仕訳を確実に行う
総勘定元帳の作成は、仕訳から転記します。
問題文に取引があるため、一つずつ仕訳を丁寧にしていきます。
原価ボックスを使うと、より簡単に解くことが出来ますので、原価ボックスのメモを確認しながら読んでいきましょう。
【前期繰越】
【4月4日】
(計算式)
・商品勘定 @3,100×200個=620,000
手付金¥150,000の充当は前払金勘定
残額の掛けは買掛金勘定
仕訳は簿記3級レベルですが、本問は販売のつど売上原価に振り替える方法を使用しているため、借方は「仕入勘定」ではなく「商品勘定」です。
【4月5日】
(計算式)
@3,100×50個=155,000
4日に仕入れた商品のため、単価は@3,100です。
【4月8日】
(計算式)
・1行目
@6,000×450個=2,700,000
仕訳は簡単ですが、取引の文章の後半部分にある、「売掛金を1週間以内に払うと、代金の0.1%が割り引かれる」ことを覚えておきましょう。
・2行目
@3,000×450=1,350,000
原価ボックスより、前期繰越分の@3,000の商品を450個売り上げました。
借方残の「商品勘定」から「売上原価勘定」へと振り替えられたことになります。
問題文より、「販売のつど売上原価に振り替える方法」となっているため、売上の仕訳を行うと同時に売上原価への振替の仕訳も忘れずにしましょう。
【4月10日】
(計算式)
@3,200×200個=640,000
貸方の科目は「約束手形を裏書譲渡した」とあるため「受取手形勘定」を入れます。
【4月12日】
4月8日の掛代金の決済です。8日の文章にある通り、売掛金の代金が1週間以内で支払われたため、代金の0.1%が割り引かれます。
割り引かれた金額で使用する勘定科目は「売上割引勘定」です。
(計算式)
2,700,000×0.1%=2,700 売上割引勘定
2,700,000―2,700=2,697,300 当座預金勘定
【4月15日】
(計算式)
@3,300×300個=990,000
【4月18日】
(計算式)
・1行目
@6,300×420個=2,646,000
・2行目
原価ボックスより求めます
@3,000× 50個= 150,000
@3,100×150個= 465,000
@3,200×200個= 640,000
@3,300× 20個= 66,000
2行目の金額の合計を計算します。
150,000+465,000+640,000+66,000
=1,321,000
詳しくは、画像を見てください
問題文より、「販売のつど売上原価に振り替える」とあるため、2行目の仕訳が増えます。
【4月22日】
仕訳は、簿記3級レベルです。簿記3級の2019年度から出題範囲になった分野なので直ぐに分かります。
【4月26日】
売上割戻があった際は、売上を取り消します。本問は純売上高の計算があるため、借方は「売上勘定」です。
【4月30日】
月次決算は、「販売のつど売上原価勘定に振り替える」方法のため決算整理仕訳は不要です。
月末時点の商品在庫は、帳簿棚卸数量と実地棚卸数量が一致しているため、棚卸減耗はありません。
また、正味売却価格@5,500が原価@3,300より高いため、商品評価損もなしです。
問2は、仕訳と原価ボックスが正しければ完答も可能
純売上高は、仕訳の売上勘定から計算して答えが出ます。また、売上原価の計算は、売上原価勘定からです。
純売上高
2,700,000(8日)+2,646,000(18日)-10,000(26日)
=5,336,000
売上原価
1,350,000+1,321,000=2,671,000
総勘定元帳の商品の前期繰越と次期繰越は、原価ボックスより求めます。
まとめ
本問は、簿記2級の試験の中では難易度は低いです。仕訳の他に、「販売のつど売上原価に振り替える」と「原価ボックスを使用」を確実に行えば20点をとることが出来ます。
原価ボックスを使用するため、計算が多めです。電卓を叩くときは慌てずに丁寧にやりましょう。
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