証憑は簿記3級の新論点。見ただけで仕訳が出来るようになろう【出張精算書、領収証書】

簿記3級は、2019年度の出題論点の改訂により、実務に近い知識が必要になりました。

その1つで「証憑」呼ばれるものがあります。

今回の記事は、証憑の解説です


目次

証憑とは

「確定申告は自分一人でできるのでしょうか?」の写真

一言でいうと「取引の証明になる物」です。



例を下記に表します。

・納品書兼請求書

・出張精算書

・領収証書



簿記3級の試験では、証憑を見て仕訳を作る問題です。出題論点に入ってすぐのため、基本を押さえましょう。



証憑の具体的な問題

出題可能性の高い問題のみを4問出します。証憑の中でも難易度が高いのでこれらをマスターすれば、他の問題は簡単です。



出張精算書

出張精算書は、「仮払金」勘定で出題された問題です。

費用を見ると「交通費」と「宿泊費」の2つがあります。この2つは、「旅費交通費」勘定です。


下から2番目の仮払を見ます。仮払で¥50,000と書いてあるため、この金額は出張前に支払われた「仮払金」勘定です。



そして、差引は

出張前の仮払金―実際に出張で支払った費用

で計算された残りの金額だということが分かります。



出張前は現金で支払っているため、「現金」勘定です。

仕訳に表すと

借方金額貸方金額
旅費交通費43000仮払金50000
現金7000  

です。



納品書兼請求書

納品書兼請求書は、会社の物を購入した時に出されます。そのため、勘定科目は「備品」勘定の可能性が高いです。(新論点のため何が出されるか不明ですが、品名から判断出来ます)

品名を見ましょう。「机」と「ボールペン」のため、「備品」勘定です。



支払方法ですが、「翌月25日に払い込み」とあるため、まだ支払っていません。

備品の購入で翌月の支払いは、「未払金」勘定です。



納品書兼請求書は、「何を購入したか」(借方科目)と「支払方法」(貸方科目)で判断することが出来ます。



仕訳に表すと

借方金額貸方金額
備品751000未払金826100
仮払消費税75100  

です。



領収証書

領収証書は、「科目」と「申告区分」に注目です。それにより、「勘定科目」と「仕訳」が分かります。

今回は、法人税のケースです。



中間申告

申告区分に「中間申告」と書いているため中間申告の仕訳をするだけです。

金額に注意して仕訳をしましょう。



仕訳は、

借方金額貸方金額
仮払法人税等2000000現金2000000

です。



確定申告

申告区分に「確定申告」と書いているため、確定申告の仕訳をします。

こちらも金額のみ注意です。



仕訳は、

借方金額貸方金額
未払法人税等4000000現金4000000

です。



なぜ証憑が必要か?

「考える外国人」の写真[モデル:Max_Ezaki]

税理士に取引の証明をするためです。



企業は、税務や経営について税理士に相談をすることがあります。その際に税理士に帳簿を確認してもらいますが、税理士からランダムで「この取引の証明をしてほしい」と言われたときにすぐに答えないといけないからです。



もし、取引の証明が出来ないのに帳簿に仕訳のみを書いていたら架空の取引をしていることが分かります。

そうなれば、会社をしての信頼もゼロです。信頼をされるために証憑を税理士に見せます。



架空の取引はもちろん犯罪です。帳簿に書いた取引が全て適正なものであると証明をしなければいけません。取引の証明をするために必要な物が証憑です。



まとめ

今回は、証憑について解説してきました。新論点のため、試験には基礎的な問題が出ると考えられます。この4つのパターンが出来れば、他の問題も解くことが出来るため何度も仕訳を確認しましょう。

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