記事の目的
・仕訳について詳しく知る
・勘定科目を理解する
簿記において仕訳はとても重要です。仕訳さえ出来れば、電卓で計算をするだけになるため、決算書類の作成も容易に出来ます。
まずは、仕訳の中身を理解して、同時に勘定科目も覚えると問題が解きやすいです。最終的には、問題文を見るだけで頭の中に仕訳が浮かぶようにするのが一番ですが、慣れないうちは一つ一つを書いていきましょう。
目次
Table of Contents
簿記上の取引
簿記上の取引とは、「資産、負債、純資産、収益、費用のいずれかが増減する取引」のことをいいます。身近なものに例えると、「電気代5,000円を支払った」でも簿記上の取引になります。
「光熱費」という費用の発生と「現金」という資産の減少にあてはまるため、簿記上の取引です。
仕訳とは
簿記上の取引を仕訳帳に勘定科目と金額を書く作業のことです。仕訳帳は左側が「借方」と呼ばれ、右側が「貸方」と呼ばれています。
上記の取引を仕訳で表すと
(借方)光熱費 5,000 (貸方)現金 5,000
となります。
仕訳のルール
ルールのため覚える必要はありますが、慣れてくると自然に記入が出来ます。初めのうちは
下記のルールに従い、問題を解いていきましょう。
資産・・・増加→貸方 減少→借方
負債・・・増加→借方 減少→貸方
純資産・・増加→貸方 減少→借方
費用・・・発生→借方
収益・・・発生→貸方
勘定科目を理解しよう
勘定科目は、全てを暗記して試験に臨むことは不可能です。資産の科目だけでも100以上はあります。簡単なもので「現金」や「借入金」等文字を見ただけでわかるものから、試験で初めて見る科目まで存在します。そのため、科目の意味を理解して問題を何度も解くことにより自然に記憶に入れるのが最善の方法です。
「資産」「負債」「収益」「費用」についてそれぞれ主に試験に出やすい科目を紹介します。詳しい解説はそれぞれの勘定科目の記事で説明します。
資産
主に財貨や債権です。現金や普通預金が該当します。これらは、財貨と呼ばれるものですが、売掛金や貸付金のように、後日現金を受け取ることが出来る権利も資産です。「持っているとプラスになる」イメージをしましょう。
現金
現金はもちろんですが、現金以外も勘定科目は現金として扱うものがあります。
〇〇預金
一般的に知られている「普通預金」や「定期預金」(試験ではほとんど出ない)その他に小切手の支払いで利用するのが「当座預金」です。
売掛金(クレジット売掛金)
商品の販売を掛けで行った場合に後日代金を回収する権利
もし、取引先がクレジットカードを使用した場合は、クレジット会社から後日代金を受け取る権利
前払〇〇
保険料や家賃等を次期以降の分も払うときに使う勘定科目。
例えば、「8月1日に一年分の保険料を支払った」と問題文にあれば、
当期の保険料・・・8月から3月
次期の保険料・・・4月から7月
です。
決算時には、当期の保険料と次期の保険料を区別するために処理を行います。
未収〇〇
収益である利息や手数料等が未回収になっていること。費用と同じく、「当期の収益」と「時期の収益」を区別するための仕訳を決算で行う。
備品 建物 土地
備品は、机や椅子等の資産のことをいう。建物や土地は、「会社が所有する」資産。
負債
後日返済しなければならない債務等を指します。分かりやすい例は、借入金や未払金です。「持っているとマイナスになる」をイメージしましょう。
買掛金
売掛金の逆の立場に使用する。商品を仕入れて、掛代金は後日払う義務
未払金
買掛金と同じく代金は後日支払うが、こちらは商品以外の物(例えば会社の備品)を購入したときに使用する科目
前受〇〇
手数料や利息等を次期以降分も含めてもらっているときに使用。決算時に処理を行う。
未払〇〇
利息や家賃等を支払っていないときに使う科目。決算時に処理を行う。
預り金
所得税や社会保険料を会社が一時的に預かり、後日支払う義務
純資産
資産と負債の差額である正味の財産のことを指します。イメージは難しいため、深くは考えなくてよいです。簿記3級には純資産の勘定科目は様々あり、難しく感じますが仕訳を覚えて試験を乗り切りましょう。
資本金
会社の設立や新株発行時に、株主より払い込まれた金額
収益
一言でいうと収入です。受取利息や売上が該当します。
売上
商品を売り上げたときに使う科目。試験ではほとんど出る。
受取〇〇
手数料や利息等が発生した特に使用。
費用
一言でいうと経費です。水道光熱費や通信費が該当します。
仕入
商品の仕入れ時に使う科目。売り上げと同様に試験ではほとんど出る。
〇〇費
「費」の文字があるため、分かりやすい。
例
水道光熱費
旅費交通費
まとめ
試験では、上記に書いたもの以外にも多数の勘定科目を見ることになります。最初のうちは覚えるまでが大変ですが、勉強をしていくと「この科目見たことがある。決算ではこの処理をする」という考えになります。