期中取引はわかりやすい固定資産

記事の目的

固定資産の取得や売却の仕訳を理解する



固定資産とは、企業が「長期間の保有を目的とする」具体的形態を持つものをいう。



固定資産は、有形固定資産と無形固定資産が存在しますが、簿記3級の範囲は、有形固定資産のみです。この記事でも有形固定資産について説明します。



勘定科目は、「建物」「備品」「車両運搬具」「土地」等、文字を見ただけでわかるものが多いです。



決算時には「減価償却」をするものがありますが、決算処理の項目で説明します。

目次


固定資産の取得原価



購入代価+付随費用(手数料)



付随費用とは・・・有形固定資産を使用可能な状態にするまでに要した費用のこと



手数料、運送費



通常ならば、付随費用は費用のため、勘定科目を使用できそうだと考えます。では、「なぜ付随費用が固定資産の金額に含まれるのか?」と思いますが、複雑な理由があるため、現段階では、「付随費用は固定資産の取得原価に含める」と覚えておきましょう。



例外は、車両運搬具の取得時に「損害保険料」のように使用期間に対応して発生する費用は、費用の勘定科目「損害保険料」「保険料」等を使います。



例題

備品2,000円を購入し、手数料100円は現金で支払った

   借方金額   貸方金額
備品2,100現金2,100



車両運搬具10万円の購入時に保険料3,000円を支払った場合

   借方金額   貸方金額
車両運搬具100,000現金103,000
損害保険料3000  


固定資産の売却は、仕訳が複雑

売却の前に説明しますが、固定資産には2つのタイプがあります。償却資産と非償却資産です。(償却の処理については、決算処理の記事で説明します)

償却資産とは、決算整理において減価償却の仕訳をします。例えば、建物や備品等使用する期間が長ければそれだけ、価値が下がる資産です。

非償却資産とは、土地のように時間の経過が原因で価値が変わらない資産のことをいいます。土地も価格が値下がりすることがありますが、会計上において減価償却と時価の下落は別物です。しかし、時価の下落が著しく起こった場合は、処理をしますが、簿記3級の試験範囲ではないため省略します。(簿記3級では、「土地は価値が減少しない」とだけおぼえておきましょう)



売却時(非償却資産の場合)



売却時に売却代金と固定資産の金額が異なる場合は「固定資産売却損(益)」勘定で処理します。



土地1,000円を1,500円で売却して代金は現金で受け取った

   借方金額   貸方金額
現金1,500土地1,000
  固定資産売却益500

              



土地1,000円を900円で売却して代金は現金で受け取った

   借方金額   貸方金額
現金900土地1,000
固定資産売却損100  


売却時(償却資産の場合)

第3問や第5問で出題されることが多いですが、決算処理の記事で説明します。この記事は、第1問で出るパターンの説明です。

例題

不要になった車(取得原価1,000,000円、減価償却累計額200,000円、関節法で記帳)を期首に100,000円で売却し、代金は後日受け取ることにした。

※減価償却累計額は決算処理の記事で説明します。



減価償却累計額 200,000  車両運搬具  1,000,000

未収金     100,000

固定資産売却損 700,000 



①固定資産を売却したため、資産の減少で貸方に車両運搬具を書きます。

 取得原価は問題文にあるため、1,000,000円です



②減価償却累計額(残高は貸方)の全額を借方に入れる(減価償却累計額勘定の残高を0にする)



③代金の受け取り方法に適切な勘定科目を入れる(例題は商品以外の代金の受け取りのた      

 め未収金勘定)



④貸借の合計を合わせるため、差額の金額を入れる。(例題は、借方が300,000円で貸方が、1,000,000円のため、差額の700,000円を借方に入れる)借方は、売却損で貸方は売却益になる。






固定資産の取得で注意する点



購入時に「翌月払いで購入した」等の翌月以降の支払いは、負債の勘定科目は「未払金」になります。以前、負債の科目で「買掛金」を学習しました。



「未払金」と「買掛金」は、どちらも後日支払う約束ですが、「未払金」は、商品売買以外(例 会社の備品)購入時に使用し、「買掛金」は、商品売買の後日支払いに使用します。



例題

会社用のパソコン30万円を翌月払いで購入した

   借方金額   貸方金額
備品300,000未払金300,000



まとめ

固定資産については、「付随費用を取得原価に含める」と「売却時の仕訳」について覚えておけば良いです。後は決算時に決算処理を行いますが、他の記事で紹介します。

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