簿記3級の試験は、第1問から第5問までの5問構成になっているが、2時間の中で時間配分はどうしたらいいの?
こういった疑問に答えます。
本記事では、簿記3級の本試験で「どの問題にどれくらいの時間をかける」のが効果的かを解説しました。「第1問から順番に解いていく」というルールはありません。
簿記3級の試験は、70点で合格です。そのため、「どの問題を集中的に解き、点数を伸ばすか」を選択することが合格に近づきます。
私自身は、本記事の時間配分の方法で試験問題に望み、見事合格を手にすることが出来ました。この方法で試験に臨めば、時間に追われることもなくなります。
本記事の内容
・合格点を狙うための問題別時間配分
・他のやり方のデメリット
目次
Table of Contents
簿記3級の試験で、おすすめする時間配分
私がおすすめする時間配分はこちらです。
問題 | 第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 | 第5問 | 見直し |
時間 | 15 | 残り時間 | 45 | 残り時間 | 45 | 残り時間 |
(注)時間の数字は最大の時間です。例えば第1問は最大15分までを使用します。
上記の表を見ると
・第1問、第3問、第5問の合計で最大105分を使用
・第2問、第4問、見直しは残りの15分を使用
という特徴があることがわかります。
では、それぞれの時間の使い方について見ていきます。
第1問、第3問、第5問の合計で最大105分を使用
第1問は、5つの仕訳で構成されています。テキストの小問レベルの問題が出題されるため、難易度は低いですが、
3分(1題)×5題=15分
であれば解くことは出来ます。
第3問と第5問については、苦手にしている受験生は多いです。そのため、一般的に推奨されている時間よりも多くの時間を使用して、満点(または、9割以上の点数)を狙います。
時間配分は、
第3問 45分
第5問 45分
の合計で90分です。
ただし、「最大105分」のため、早く終わればその時間を他の問題に回しましょう。
第2問、第4問、見直しは残りの時間を使用
第2問、第4問、見直しは残りの時間です。第1問、第3問、第5問を解いた後に時間があまりますので、「最低15分以上」です。
第2問と第4問は、小問のため
・部分点のみ
・難易度が低い問題の満点
どちらになるかは、問題の内容によります。
勘定記入の問題の場合
勘定記入は、苦手にしている受験生が多いです。そのため、わかる箇所のみを回答して部分点を狙いましょう。
考えてもわからない場合は、無理に答えようとしても時間のロスです。
商品有高帳の問題の場合
帳簿入力の問題は、計算が必要なため多少の時間がかかります。そのため、わからなくなれば、部分点を狙います。
商品有高帳の記入問題は、移動平均法が出題される可能性が高いです。そのため、慣れていれば、完答も狙えます。
伝票や穴埋め問題の場合
伝票問題の場合は、テキストレベルの簡単な問題が出題されます。基礎的な部分が出題されるため、満点を取りましょう。
穴埋め問題は、簿記用語を知っている場合は直ぐに解くことが出来ます。しかし、知らない語句があった場合は、諦めて次の問題に移るのが良いです。
第3問と第5問に集中的に時間を使用する理由
では、なぜ第1問、第3問、第5問を中心に解くのが良いのか?という疑問が出てきます。
第1問と第3問、第5問は、問題の種類が違うためそれぞれ見ていきましょう。
第1問について
第1問は、仕訳を問われます。テキストレベルの問題のため4問正解または、満点が可能です。
そのため、最大15分を使用して16点または、20点を狙います。
第3問、第5問について
第3問と第5問は配点が30点ずつあり、この2問が満点であると60点です。配点が高い部分を集中的に解くことにより、合格に近づきます。
また、この2問は
第3問・・・試算表(合計試算表、残高試算表、合計残高試算表のどれかだが、仕訳の内容は同じ)
第5問・・・精算表または財務諸表(仕訳の内容は同じ)
のため、対策がしやすいです。
2019年度の簿記3級の出題範囲の改訂により、新論点の出題がありました。
しかし、仕訳は基礎的な内容のため、テキストの問題レベルの知識があれば回答は可能です。
他のやり方のデメリット
「第3問や第5問は、問題文が多いから苦手。そのため、第2問と第4問で点数を稼ごう」
という考え方も出てきます。
しかし、このやり方はリスクがあります。
なぜなら、第2問と第4問は配点が10点だからです。第1問の仕訳を満点だとしても合計は40点しか取ることは出来ません。(満点の場合であり、不正解の場合はさらに点数が低くなります)
さらに、第2問や第4問は新傾向で出題される可能性が高いです。過去問を必死に勉強しても、過去問と違う形で出題されると時間のロスになります。
それに比べ、第3問と第5問は、形が決まっていて毎年ほぼ同じような形の出題です。
そのため、過去問で出題されている仕訳を勉強して得意分野にすれば、点数を取ることが出来ます。
まとめ
本試験では、大問である第3問と第5問を中心に解くのが合格への近道です。問題文が多いように見えますが、慣れてくるとスムーズに解くことが出来ます。