前回は、勘定記入の問題の解き方を解説しました。
今回は、実際に問題を使って解いていきたいと思います。
問題
保険料を毎年9月1日に「24,000円」を1年間分支払っている。勘定を下記に示した時に( )に金額と勘定科目を埋める
目次
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カッコの数が多くてもヒントを基に解く
上記の問題は、一ヶ所しか判明していません。しかし、ヒントがあるためそれを基に一つずつ埋めていきましょう。
まずは、勘定科目を書く
保険料に関する勘定科目で前に文字が入る科目は、「支払」と「前払」です。
勘定科目が分かれば、他の空欄も埋めやすくなります。ヒントは、現金 24,000です。
「現金」勘定が入るということは、保険料を支払った勘定科目が入り、①は支払が入ります。そして、⑤は前払です。
繰越になる2つの用語を入れる
次に注目するのは、「前払保険料」勘定です。この科目は、資産に属する勘定科目のため、勘定には「前期繰越」と「次期繰越」が入ります。すぐにわかるため、早めに入れましょう。
前払保険料勘定の前期残高に当たる⑥に前期繰越と入れます。次期繰越は、3月31日の前期繰越の逆で、⑨です。
費用に関する勘定科目の最後に行う勘定科目を入れる
費用の勘定科目は、最後に「損益」勘定に振り替えられます。そのため、3月31日の④は、損益です。
最後に決算整理仕訳と再振替仕訳を入れる
最後は、一番分かりにくい決算整理仕訳と再振替仕訳を入れます。
決算整理仕訳と再振替仕訳は、
3月31日
(借)前払保険料 (貸)支払保険料
4月1日
(借)支払保険料 (貸)前払保険料
のため、それに当てはまった場所に語句を入れます。
②が、4月1日に行う仕訳は、再振替仕訳のため「前払保険料」
③は、決算整理に行う仕訳で「前払保険料」
⑦は、決算整理仕訳で「支払保険料」
⑧は、再振替仕訳のため「支払保険料」
以上で、語句のみを入れた勘定は、
です。
金額の計算は、期間に注意
語句の記入が終われば、金額の記入に入ります。金額は、「前期繰越の金額」と「決算整理で計算される前払保険料の金額」を間違えなければ、正解です。慎重に計算をしましょう。
埋めていく順番は、
①決算整理で計算された前払保険料の金額
②次期と前期の再振替仕訳の金額(この記事の問題は、同じ金額になります)
③残りを埋めていく
です。
①決算整理で計算された前払保険料の金額
金額の計算ですが、期間に注意して計算しましょう。9月から一年間支払っているため、次期の4月1日から8月31日までが前払保険料に当たります。
計算方法は、
24,000(一年間の保険料)×5/12(4月から8月までの期間)=10,000
です。
仕訳は、
(借)前払保険料 10,000 (貸)支払保険料 10,000
になります。
②次期と前期の再振替仕訳の金額(この記事の問題は、同じ金額になります)
再振替仕訳は、決算整理仕訳の逆になるため
(借)支払保険料 10,000 (貸)前払保険料 10,000
です。
③残りを埋めていく
保険料は、残り一ヶ所のためすぐに分かります。3月31日で費用の勘定科目で決算で行う仕訳は、「損益」勘定への振替です。そのため、差額の24,000が「損益」勘定になります。
前払保険料は、繰越の金額は、10,000です。そのため、前期繰越と次期繰越は同じ金額であることから、二ヶ所が埋まって全部が埋まりました。
#まとめ
勘定記入は、確かに難しく時間がかかります。しかし、問題のパターンがほぼ決まっているため、過去問を何度も練習してスムーズに解答できるようにしましょう。
コメント
1点質問がございます。③は、決算整理に行う仕訳を記入するため、解答の日付は4/1ではなく、3/31ではないでしょうか。
ご指摘ありがとうございます。
3/31が正解です。
今週中には訂正しておきます。