簿記3級 簿記2級の違い【難易度、特徴】

簿記3級は合格した。これから簿記2級を勉強したいがどれくらい違うのかが知りたい

そんな疑問に答えます。



簿記3級は、会計の基礎知識があるという証明が出来る資格です。しかし、企業や会計事務所によっては、応募条件に簿記2級が必須の所もあります。そのため、簿記2級を目指す受験生も多いです。




目次

簿記3級と簿記2級のそれぞれの特徴

級の数字が違うだけで、同じ簿記の試験です。しかし、それぞれの特徴を知ることにより、簿記3級から簿記2級へのステップアップをした時に違いが分かります。




合格率

まず、簿記3級と簿記2級の合格率の違いを見ていきます。(直近3回)






154回 簿記3級・・・49.1%

     簿記2級・・・28.6%

153回 簿記3級・・・43.1%

     簿記2級・・・27.1%

152回 簿記3級・・・56.1%

     簿記2級・・・25.4%






数字を見ると分かりやすいですが、簿記2級は簿記3級の半分の合格率です。

(こちらの記事)には、さらに多くの合格率のデータがありますので興味があれば、見てください。




合格率は、簿記3級が40%代か50%代と半分程度の受験生が合格しています。それに対して、簿記2級は10%代から20%代と難しい試験です。





簿記3級の特徴

簿記3級は、「簿記の中でも基礎的な部分。小規模企業の経理で必要なレベルの知識」です。

ネットでは、「1ヶ月の勉強で合格した」(証明が出来ないため本当かどうかは不明ですが・・・)と言われています。




しかし、合格率が半分程度ですが、立派な試験のため適当な勉強では合格をすることは出来ません。

3ヶ月あれば、ある程度の知識はあるため一発合格は可能です。






簿記2級の特徴

簿記2級は、「株式会社の経理で最も求められる資格。経営内容を把握し、企業活動や会計実務で分析を行うための必要な知識」です。




簿記2級からは、商業簿記に加えて工業簿記が新しく試験範囲になります。






「商業簿記は、簿記3級に勉強したから簡単そう」

「工業簿記は、2級から勉強するから難しそう」






そう思われがちですが、実際はどのようになっているかを解説していきます。






商業簿記

簿記3級で基礎は勉強しました。しかし、2級になると3級に比べて理解しにくい点が2つあります。



・複雑な処理が多い

例:本支店会計

・簿記1級から簿記2級へ試験範囲が変更になったもの

例:連結会計 外貨建取引等

・勘定科目のイメージが出来ないものが多い

例:繰延税金資産 非支配株主持分





工業簿記

簿記2級から初めて勉強する分野。工業を経営する会社が使用する簿記です。

2級で初めて勉強するため、難しく感じます。しかし、本試験では工業簿記のほうが点が取りやすいです。そのため、得意分野にすれば、合格が近づきます。





難易度

合格率が表すように難易度が全く違います。以下は、出題傾向の簡単な解説です。


簿記3級

2021年度からの方式は、仕訳がより重要になります。

そのため、各分野の仕訳を確実に出来るようにしましょう。

第1問

仕訳の問題です。

配点は、旧方式が


5問×4点


の20点でした。

2021年度の新方式は、


15問×3点


の45点に変わります。

2021年の6月が初回ということで、対策は難しいですが苦手分野をなくして満遍なく学習するのが良いです。

第2問

旧方式の第2問と第4問の問題が出題されます。


「勘定記入」「補助簿」「伝票会計」等です。


配点は20点ですが、第1問や第3問よりは重要度は低いため、部分点を狙うようにします。


第3問

決算問題です。

配点は35点のため、苦手意識をなくすようにすると合格に近づきます。

旧形式の第5問と行う仕訳は変わらないため、決算整理を確実に出来るようにしましょう。


簿記2級

2019年の出題範囲の改訂により、難易度が高くなりました。簿記1級の範囲が簿記2級になったため、難しいと感じます。




第1問

簿記3級の時は、テキストレベルのため満点の20点が可能でした。しかし、簿記2級になると、テキストにない形での出題があります。問題が難しかったら捨てる選択も必要です。




第2問

個別論点の問題です。しかし、簿記3級のように出題傾向が決まっていません。そのため、苦手論点が出たら不合格に近づきます。

満点(20点)を取ることは不可能に近いので、難しい問題を捨てる勇気も必要です。




第3問

連結精算表が出題されたら終了レベルです。最近は、151回や153回の試験の難易度が高く受験生を苦しめました。


財務諸表が出題された場合は、連結精算表よりも難易度は低いです。

仕訳の数は、簿記3級の第5問とほぼ同じ数のため、基礎を抑えれば解くことが出来ます。




第4問と第5問

工業簿記の出題です。過去問を分析すると、どの分野が出やすいかの傾向はありません。そのため、苦手分野を作らないようにします。



難易度は、難しい時もある一方で、満点(20点)を取ることも可能です。過去問に似た問題が出題されることがあるので、過去問を確実に解けるようにしましょう。





まとめ

簿記3級と簿記2級の違いについて解説しました。2019年度の出題範囲の改訂により特に簿記2級の難易度は高いです。一時期は、10%台の合格率でした。最近は20%台になったため、対策が立てやすくなったように感じます。




簿記2級までを取得すると、一般企業や会計事務所からの評価は高いです。転職に有利になるので取得を目指しましょう。

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