この記事の目的
・簿記を取得したいが資格の内容がわからない
・学習をこれから進めたい
そんな人向けの記事です。
この記事を読むことにより、「簿記学習の全体」がわかります。
目次
Table of Contents
簿記の資格について
簿記とは、「帳簿記録」の略です。企業は毎日営業活動を行っていますが、取引があるとその内容を帳簿に仕訳をします。
(仕訳については、 確実にマスターしよう。仕訳が出来ると試験の合格が近づく の記事を参照)
会計期間
簿記は、会計期間が存在します。始まりは期首で、終わりは期末です。一年ごとに区切ることにより、会計期間内で企業の成績がどのようなものであるかを外部に報告します。
簿記では、期首は4月1日で期末は3月31日です。出題範囲の改訂で、簿記3級の対象が株式会社に変更になりました。改訂前は、個人商店が対象だったため、期首と期末は自由に設定が出来ましたが、現在では、4月1日から3月31日までが原則です。
簿記の目的
簿記の目的は、企業の財政状態(現在保有している資産はどれくらいか)と経営成績(企業の利益)を明らかにするためです。毎日の取引を簿記のルールに従い、貸借対照表(財政状態)と損益計算書(経営成績)を作成します。
試験について
簿記3級の試験について解説します。
配点
主な配点はこちらです。(試験によって多少異なる場合がある)
第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 | 第5問 |
20点 | 10点 | 30点 | 10点 | 30点 |
出題内容
内容は、毎回ほぼ同じで第2問から第5問は多少変わる
第1問 仕訳問題5問(1問4点)
問題文は、テキストの小問に似た文章。問題文は長いものもあるが、基本問題が多く4問から5問は正解が可能。勘定科目は与えられているため、ヒントがあるプラス要素と文字を間違えると不正解になるマイナス要素がある。
第2問 勘定記入や帳簿組織
帳簿組織が出題された場合は、難易度は易しいため満点は可能です。しかし、勘定記入が出題された場合は苦手にする受験生が多いため、部分点を狙いましょう。
第2問は、新形式で出題されることがあるため、注意しましょう。
第3問 試算表
「合計試算表」「残高試算表」「合計残高試算表」の内のどれかから出題されます。計算方法が違うだけで、仕訳の内容や難易度はほぼ同じです。
試験範囲改訂があったため、出題内容が若干変化する可能性があります。
第4問 伝票会計や帳簿記入が中心。勘定記入や仕訳日計等様々な問題が出題
伝票問題が出題された場合は、難易度が低いため満点が狙えます。しかし、第2問と同様に勘定記入が出題された場合は、部分点を狙うのも一つの考え方です。
第4問も新形式で出題されることがあるため、注意しましょう。
第5問 財務諸表か精算表
50%の割合でどちらかが出題されます。回答欄は違いますが、問題の仕訳の内容はほぼ同じです。
試験範囲改訂があったため、第5問も今後は出題内容が若干変化する可能性があります。
簿記検定の合格率
私が受験した3級(115回)と2級(117回)を含む10年間の合格率と最近10年間の合格率を表にまとめました。
回 | 合格率 | 回 | 合格率 |
111 | 21.9% | 143 | 34.2% |
112 | 46.4% | 144 | 45.1% |
113 | 35.0% | 145 | 47.4% |
114 | 45.2% | 146 | 50.9% |
115 | 35.2% | 147 | 40.3% |
116 | 42.5% | 148 | 48.9% |
117 | 31.2% | 149 | 44.3% |
118 | 38.2% | 150 | 43.8% |
119 | 29.5% | 151 | 55.1% |
120 | 40.2% | 152 | 56.1% |
平均 | 36.5% | 平均 | 46.6% |
3級の合格率は最近のほうが高いです。
「半分近くの受験生が合格するから簡単だ!」と思いがちですが、甘く見ると不合格になります。
回 | 合格率 | 回 | 合格率 |
115 | 42.5% | 143 | 25.8% |
116 | 29.2% | 144 | 13.4% |
117 | 20.7% | 145 | 25.0% |
118 | 29.4% | 146 | 47.5% |
119 | 31.3% | 147 | 21.2% |
120 | 29.6% | 148 | 29.6% |
121 | 43.1% | 149 | 15.6% |
122 | 25.5% | 150 | 14.7% |
123 | 38.4% | 151 | 12.7% |
124 | 12.4% | 152 | 25.4% |
平均 | 30.2% | 平均 | 23.1% |
2級は最近のほうが10%近く下がっています。これは、平成28年からの3年間に試験範囲の大改訂が行われ、実務を意識した内容になりました。実際、平成28年からの合格率は、146回を除き、10%~20%へと減少しています。
まとめ
簿記の試験は昔に比べて傾向が変わってきています。私が受験した時代とはまったく違います。しかし、私自身も勉強して、新傾向に対応した合格するための情報を提供していけたらと考えています。